
- 2020/02/19
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ダンス業界の「上達ファースト」への違和感
こんにちは、
カーネリアンのあや香です!
ちょっとタイトルが仰々しいのですが、私が普段考えてることを書いてみようかな~と思います。
カーネリアンをはじめるきっかけのひとつでもあったことです。
ちょっとダークサイドな部分とかパンチ効いてる部分もあるので、読んで不快な想いをしたらごめんなさい…。
って先に謝らせていただいて…笑
私がダンスをはじめたのが15歳、高校一年生の時でした。
その頃から、ずっと感じていた違和感がありました。
それは、「ダンスは『上達』してナンボ」という考えです。
ダンサー、インストラクター、ひいては業界全体の考え方といっても過言ではないな、と。
どのインストラクターのメッセージや、どのスクールのHPをみても、
「上達」
「初心者でもうまくなる」
「徹底指導」
と書いてあって、高校生の時から「違う気がするなあ」とはっきり言語化するほどではないですが、なんとなく思い続けていました。
私がその違和感をもった理由は、ダンスの経歴にあると考えます。
私は、ダンスを始めた時から、お世辞でも「センスがあるタイプ」ではなかったです。
今もある程度はできますが…ぶっちゃけ相対的にダンスがうまくない自覚があります。
ダンス初心者の方の心理的安全を確保しながら、楽しくダンスを教えるのはめちゃくちゃ自信がありますが、
パフォーマンスをするダンサーとしては、私よりバケモノ級にうまいダンサーはたくさんいます。
でも、ダンスをはじめてから1年ちょっとで、いろんな素敵なご縁があったおかげで、
当時はダンサーとして、ダンスをみせることで月に20~30万円、コンスタントに稼げていた時期もありました。
パフォーマンスメインのダンサーとして生きることもできたとは思うし、そういう風な環境を確立できた理由もたくさんあるのですが、その話は今回はひとまず置いておいて…。
自慢ではなく、ダンサーを生業としたい人はたくさんいるから、かなり恵まれた環境にいました。
でも、いくらやっても上手くないのに、ご縁で強制的にプロの現場に立たされる。
「上手いこと至上主義」の世界で、私みたいなチンチクリンがいると、周りはどう思うでしょうか。
もちろん深夜にほぼ毎日練習したり、がんばりました。
でも、私が当時得意としてたダンスジャンル自体、イロモノ扱いだったので(今は当時よりはイロモノ感なくなりましたね)、
たとえ仲良くなった(と思えた)あとでも、
・うまくないのに、OOさんのコネだからイイよね
・うまくないのに、目立つだけで仕事もらえるんだね
・うまくないのに、なにそれ?
と数えきれないほど言われました。
もっとパンチの効いた、「そんなこという!?オーマイガー」な言葉を耳にすることも…。
私のダンサーとしての、先方が求める価値は「ダンスがうまい」ではなかったんです。
端的にいうと、「イロモノ」「他にいないから」でした。
でも周りの同業者は、それに気づいても、それに気づかなくても…。
人付き合いも練習も、がんばってもがんばっても、周りからディスられたり、直接的・間接的な被害を受けることもあり…
でもご縁で得た仕事なので、恩を返すためにやめるわけにもいかず…
今でも当時を思い出すと、
うわああああぁぁぁぁあああああぁぁぁぁ~~~~( ̄ロ ̄lll)
ってなります!!!!笑
いや~今幸せだわ。笑
ひとまず、話を戻して…。
私がダンスを続けていた理由は、楽しかったからなんです。
お金を稼いだり、目立ったり、他者をこけおとすのは、全くダンスを続ける目的のうちに入ってませんでした。
音楽にあわせて身体を動かすこと自体もシンプルに楽しいし、
それ以上に楽しかったのは、一番身近でダンスをしていた人と、一緒にダンスができることでした。
師匠
ダンスの相方
高校のダンス部の仲間
ダンスの練習仲間
ここだけです。
ここのコミュニティと関わっている環境が、すごく楽しくて、刺激的で、わくわくして、だからダンスを続けていました。
ただただ、みんなで過ごす練習とか、イベントが楽しかったんです。
でも続けていると「上達」「成長」と言われ続け、
ある日を境に、師匠が「あや香もそろそろだね~」と自然と仕事をもらうようになり、
「ダンスは楽しいからやめたくないし、師匠がいうから間違いない」
と思い続けました。
師匠からいただいた仕事から、また仕事をどんどん引き寄せていって…。
時間が経つにつれて、
「楽しいだけでダンスは続けちゃいけないのかな」
「ダンスを続けるならうまくならないといけないのかな」
という違和感はどんどん強くなっていきました。
当時の私にとって、ダンスをやめるのは、ダンサーの仕事を切るということとイコールだったので、
違和感がピークに達したときに勇気を振り絞ってやめました。
きっと、
私がセンスがあってダンスがうまくて、
見た目もダンサーらしくスラリと美しくて、
一般的なジャンルを得意として、
目立つのが好きだったら、
そんな違和感は持たなかったと思います。
その違和感を長年もち続けられたおかげで、カーネリアンをつくるきっかけになりました。
カーネリアンのコンセプトの
「楽しく踊って『なりたい自分』になる
大人初心者のためのアットホームなダンススクール」
これに私はダンスの楽しさの全てがつまっていると考えています。
決して、「上達」を否定するわけではありません。
でも、上達は「なりたい自分」になるために、必要な人もいるし、必要じゃない人もいます。
言い換えれば、一般的なダンス業界のいう「ダンスが上達する!」に対して、私は「…でっていう?」って感じです。←クチ悪いっ!笑
その一歩先の、「人生を豊かにする要素」があってほしいんです!!!
それに気づけた方が絶対ダンスは楽しいし、楽しみ続けられると言い切れます。
・上達する→次の目標がみつかってわくわくする
・上達する→憧れのOOさんみたいになれてうれしい
・上達する→舞台で拍手をもらえて感動した
・上達する→できないと思ってたことができて自信になった
上記の「わくわく」「うれしい」「感動」「自信」…
他にもたくさん挙げられますが、「上達」でとまることなく、その先の人生をポジティブにできる要素につながっています。
でも、上達が目的じゃなくても、他に目的があればダンスは楽しいです☆
・ダンスを通じて、新しい友達をつくって…楽しい!
・ダンスを通じて、同じ音楽の趣味をもつ人と出会って…楽しい!
・ダンスを通じて、毎日心身ともに健康になって…楽しい!
・ダンスを通じて、手軽に普段とは違う自分になれて…楽しい!
他にもたくさん楽しみ方がありますが、ダンスは
「なりたい自分になりやすくなるツール」
「人生を楽しみやすくなるツール」
であることは間違いありません。
自分にあった、楽しめる環境であれば。
私はダンスは楽しかったのですが、「上達せねば」という固定概念に捉われて、一度完全にダンスを切ってしまいました。
楽しくないと何事も続けられないですから。
きっと、まだまだ「ダンスは上達ファースト(ダンスだけじゃなく世の中何でもそう)」の固定概念は強いです。
特にインストラクター界。
上達、上達って、それしかダンスに価値提供を見いだせないの?
生徒さんのダンスをうまくさせれば、生徒さんに幸せを提供できるの?
生徒さんをうまくすることで、自分の評価をあげたいだけなんじゃないの?
「うまくなるには」「上達するには」って一辺倒になり、生徒さんのダンスの真のニーズに応えられてないんじゃ…せっかくインストラクターとしてたくさんの幸せを提供できるはずなのに、本当にもったいないです。
でも、インストラクターが悪いわけではなく、そういう観念が業界に根強いからです。
ダンスをする人の中では、上達が優先順位が高い人もいれば、楽しさの方が優先順位が高い人もいる。
…にもかかわらず、楽しさが優先順位が高い人(逆に言えば、上達目的ではない趣味目的の人)は大事に扱われなかったり、理解されにくい業界の考え方が確かにあります。
他スクールを例に挙げると…
もっと端的にいえば、ダンスがうまい人が偉い、ダンスがうまくない人は偉くない、みたいなカーストがありますし、
もっと具体的にいえば、あまりダンスのうまくない人がコミュニティにいると、コソコソ悪口をいったり、仲間はずれにしたり……あるいは、その人がいることで「あ、あの人は自分より踊れてないから大丈夫」とある種の安心材料にしたり。
楽しみたいから続けたいだけなのに、うまくならないと居心地が悪い…なんておかしい!絶対おかしいよ~~~!
勇気をだして、前向きにチャレンジし続けている人には、等しくリスペクトがあっていいはず!!!
インストラクターの中で、いやダンス業界の中で、
「上達ファースト」の考え方が消えて、「プロも、趣味目的な人も、ダンスをする人全員(真の意味で)リスペクト」という考え方にならない限り、
どんなに「初心者に優しいスクールです」をスクールがうたったとしても、初心者=勇気を出してチャレンジする人を心の底から尊重はできないのではないかと考えます。
楽しさよりも上達ファーストだから、ダンスを続けたくても続けられない初心者の方はまだまだ多いと思います。
悩ましい…。
正しいことや上手いことが良いこと、じゃなくて、正しいことや上手いこと以上に良いことはもっとたくさんあると信じています。
ダンス(ダンスだけじゃなくて全てのもの)にはもっと違う価値が無限大にあります。
特に、ダンスに関しては、カーネリアンからダンスの無限大の価値を発信していきたいと思います!!